屋久島旅行記 その2






山の天気は変わりやすい。
6時に降りかかった雨は通り雨だったらしく、しばらくしたら止んでいた。


でもいつ降ってもおかしくないような雲行き。カッパの脱ぎ着は道中にはしたくなかった。
このまま行くか…
少々薄暗く小寒い中、スタートを切った。


ロッコ電車の線路跡。
この道を延々と歩くことになる…。


延々と、延々と。
結局3時間、ずーーーっとこんな道。


下の息子は山登りが大好き。
10時間と分かってはいたものの、そのため彼のことは心配もしてなかった。


その彼が…
一時間歩いた後、ストライキを起こした。
「僕は山登りがしたい、こんなの、登山じゃないじゃん、帰りたい。」
雨上がりの木の道は滑りやすくなっていた。運動靴の息子は何度もくじきそうになっていた。そもそも歩き方もやる気なさげ。いつ転んでもおかしくない足取りだったので、くじきそうになるたびに
「それみたことか!」という気持ちになった。
気持ちを上げさせてあげようと何度声かけしてもダメ。終いには
「ここまできたら前向いていくしかないじゃん!」と怒っていた。


みんなの気分も下がる。いつまで続くのか…、と思って思って思った先に
大きな休憩所が見えた。人がたくさんいた。
ここで気分もガラリと変わった。






つづく。