屋久島旅行記 その3
そこには、すし詰めのバスをご一緒だったであろう大勢の人たちが、それぞれのお弁当を食べていた。
数少ない休憩所のうちで一番大きなところだった。歩き始めて3時間半。
リュックを下ろしてやっと大きな休憩を取ることができた。
時間はこの時点で10時。ここから上はいよいよトロッコ道から山道に変わっていく。
「この場所を11時にスタートできなかったら登らないでください」の看板が出ている。(そうじゃないと18時の最終バスに乗り遅れる)
よし、ここでお弁当をゆっくり食べても11時には間に合う。
大勢の人で賑わう中。
お弁当を食べて身体に元気を取り戻し。
決め手は、トロッコ道から山道に変わったことから。
愚図っていた下の息子にスイッチが入った。
ここからは本格的な登山。
軍手はマスト。岩を掴みながら登るところもたくさんある。
後から聞いたら、激しい登り道なので、ここまでで引き返す人も大勢いるのだとか。確かに。
縄文杉にたどり着くまではほぼワンウェイの道のり。すれ違った人たちはあの大勢の人たちに比べたらうんと少なかったので不思議だったのだ。
持っていったストックもここで大いに役立った。無しでも登れるが、あると助かる。
そこからの身軽な子供達の楽しそうな山登りには、ついていくのに必死だった。
決して楽ではない道のりを楽しく登っていく。
心は軽くなった。
そして道中、いろんな千年杉と出会った。
中でも…
この大きな切り株の中に入ると…
こんなハート形が見られるウィルソン株は
登山前から本当に楽しみだった。
切り株の中は畳10畳ほどの広さ。
その中のある位置からみえるこの風景は、見えた瞬間にテンションが一気に上がる。
カメラを手に、順番に並んで撮った一枚。
情報誌通りの、いや、それより本物はもっと厳かだった。
ここからゴールは
もう
近い。
登り始めて4時間半。
つづく。